ブラックコーヒー
「…彼氏の余裕、ね。」



むしろ与えてほしい。



「…俺、君と付き合った方が美由里は幸せだと思う。」

「は…?」



彼は若い。

何より…、彼ならあの子に『好き』と言ってあげられる。



「…何が言いたい?」

「…君には強みがある。そういうことだよ、うっちー。」

「強み…?」

「俺にはないもの、いっぱい持ってる。」



うっちーは顔をしかめた。



「だったらなんだよ。俺には、美由里ちゃんの気持ちはない!」

「!」



何より大切なもの。

そっか、俺にとっての強みはそれか。
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