ブラックコーヒー
悲しいよ。

付き合えた。
大声で叫べるよね、私たちの関係。


でも、杏の言う通りだ。

欲張りになっちゃう。



「美由里?」

「え、あ、斗真。」



振り返ると、私服に着替えた斗真がいた。



「そんなとこ座ってないでこっちおいで?」



とソファに座った斗真は、床に座っていた私を呼んだ。

立ち上がって斗真の隣に腰掛けようとすると、斗真が私の腕を掴んで言った。



「そっちじゃなくってこっち。」

「へ!?」



そのまま腕を引っ張られて、私は斗真の膝の上に、斗真と向かい合わせになる形で座らされた。
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