ブラックコーヒー
顔をそっと離すと、すでに斗真の目は開いていて。



「いっ、いつから…!!」



裏返る声でそう叫ぶも、斗真は無反応で。



「…斗真?」



首を傾げて顔を覗き込むと、斗真は大きく溜め息を吐いた。

へ!?
私なんかした!?


そんな私を他所に、斗真は私を引き寄せた。



「ひゃ!?」

「あー…、マジ無理。」



と言いながら私の胸に顔を埋める。

し、心臓の音聞こえちゃう…!



「な、何が無理…?」



平然を装ってそう言うと、斗真は私の後頭部に手を回した。



「簡単に言うと、こういうこと?」
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