ブラックコーヒー
「んー?」



私は一樹さんの腕の中から甘えるように一樹さんを見上げた。

そんな私に一樹さんはニコニコする。



「…私も欲しいなぁ、お酒。」

「チューハイは美由里ちゃん用! あげちゃうーっ♪」

「やった!」



私は一樹さんの腕からすり抜けると、チューハイを1本手に取った。

ほろよいのアイスティー。
何気に好きなんだよね、これ。



「うわっ、なんか騙された気分!」

「一樹さんありがとー♪」



そう言ってプルタブを開けた。



「美由里。」

「あっ…。」



脇から伸びてきた斗真の手に、チューハイを奪われる。
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