ブラックコーヒー
「1本だけね。」

「…明日休みだよ?」

「なんでも!」



案外頑固な斗真に少し文句を言ってから、返してもらったチューハイに口をつけた。



「なぁなぁ、斗真ー。」

「ん?」

「実はさぁ課長がさぁ。」



と、突然始まった愚痴大会。
内容は会社の上司に対するもの。


…何さ、2人で盛り上がっちゃって。

放置された私はご機嫌斜め。
密かに缶を1本2本と開けた。


グルグルと回る景色に、溢れてくる涙。

…私、お酒弱いんだった。
3%のほろよい1本で寝ちゃう私。


…3本目に達した今。
そこは未知の世界だった。

2本目ですでに未知の世界だったけどね。
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