ブラックコーヒー

■好きなのが辛い

「…美由里?」



テレビを眺めてボロボロと涙を溢す美由里に声をかけた。

ついていた番組は…ニュース。
それもNHKのすごく真面目なやつ。


泣ける要素なんてないはず。

そう首を傾げる俺に、一樹は言った。



「…テーブルの上に空き缶が1本2本…。」

「はぁ!?」

「泣き上戸か…また厄介な…。」



と呟く一樹を他所に、俺は美由里の手にある缶を取り上げた。

………空っぽ。



「チューハイ3本な…。」



どんだけ酒弱いんだ…。

いや、そこじゃない。
どうすればいいんだ、こういうとき…。
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