ブラックコーヒー
「斗真ぁ…。」



悩む俺に、酔っぱらいが声をかけてきた。

とりあえず涙を拭ってやる。



「どうした?」



それから抱き寄せて髪を撫でる。
擦り寄ってくる美由里はまるで猫だ。

……可愛いからなおさら厄介だよなぁ。



「ふっ、ぇ…。」

「えっ。」

「う、ううー…っ。」



と嗚咽を漏らして泣き出した美由里。



「美由里!?」

「嫌なのー。」

「い、嫌?」

「も、全部嫌ぁ…。」



と泣く。

ど、どうすればいいんだ…。



「うっ、く…。家帰りたくないぃ。」
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