ブラックコーヒー
「好き、なの辛いよぉ。」



そう言ったかと思うと、急に体中の力が抜けた。



「……寝た。」



真っ赤な美由里の顔を見て、俺はただただ顔をしかめた。

美由里をギュッと抱き締め呟く。



「……ごめん。」



とりあえず美由里を寝室のベッドに寝かせるとリビングに戻った。



「…なぁ、斗真。」

「ん?」

「さっきの、なんだよ?」

「さっきの…?」

「『好きって言ってくれない。斗真が分かんない。』って。」

「あぁ…。」



俺は溜め息を吐きながらビールを煽った。
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