ブラックコーヒー
そう…なのかな。



「…私、ちゃんと言ってみますね。」

「うん。」



私がそう言うと、一樹さんは優しく微笑んだ。



「…相変わらず大好きですね、斗真のこと。」

「うん。大好きだよ。でもね、今は…斗真と同じくらい大好きな子がいるんだ。」

「へぇ…!」

「…その子にとって何が幸せなのか…分かるとありがたいんだけどなぁ。」



何が幸せ…かぁ。



「きっと、一樹さんにそこまで思ってもらえるだけでその人は十分幸せだと思います。」



そう言うと、一樹さんはおかしそうに笑った。



「…そうだと、いいな。」
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