ブラックコーヒー
ギューッと抱き締められて私は動揺する。

いつもならここで私も甘えちゃうけど、今日は違うんだ。



『あー、癒されるー…。』



そう言ってもらえると嬉しいんだけど…。



『あのね、斗真…!』



斗真を押し返すと、斗真は不思議そうに首を傾げた。



『うん?』

『…話があって…!』



その瞬間、斗真の表情が凍りついた。



『…斗真?』

『ごめん、仕事が残ってるの思い出した。また今度聞くね?』



と私の頭を撫でた。

逃げられた…。



『先に寝てて。』



そう笑った。
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