ブラックコーヒー
「…それが1週間前の土曜日。」



私はパフェの最後の一口を頬張った。



「ここ最近は『決算前で忙しい』って、まったく会ってません。」

「あからさまに避けられてるね…。」

「うっ…。」



一樹さんのその言葉が胸に刺さって痛かった。



「…今度さ、美由里ちゃんが斗真のこと迎えに行ってみたら?」

「あっ、それいいかも。」



と隣の杏が言う。

目の前の一樹さんはなんだか楽しそうだ。



「たまにはいいんじゃない?」

「うーん…。」



会社の場所は分かる。
度胸はない…けど。



「行ってみる。」



こんな風に避けられたままなんて嫌だ。
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