ブラックコーヒー
「坂沼せんぱぁい!」



そう駆け寄る、女の子を見つけたから。



「あぁ、渡部(ワタベ)。」



渡部と呼ばれたその人はどうやら斗真の後輩らしかった。

…可愛い人。
早織さんとはまた違ったタイプだ。


そんな私の冷静な解析を他所に、渡部は斗真の腕に抱きついた。

斗真はそれを振り払うでもなく、極々当然のようにしていた。



「坂沼せんぱぁい、今度夕飯ご一緒しませんかぁ?」

「うーん、気が向いたらね。」



そうにこやかに返す斗真になんとも言えない怒りがわいてきた。

何よデレデレしちゃって…!
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