ブラックコーヒー
そう言った一樹さんの目は底冷えするほど冷たくて、私は一瞬怯んでしまった。



「あ、やっ…!」



その一瞬のうちに、あっさりと床に押し倒されてしまった。

両手首を頭の上で1つにまとめられて、私は完全に動けなくなる。



「…君と斗真を別れさせるためならなんだってする。」

「嫌…!」



今の一樹さんになら襲われかねない。

なんとか逃げようとするけれど、どれも無駄だとすぐに分かった。



「…どうして…私と斗真を別れさせたいんですか。」

「君が幸せそうに見えないからだよ。」
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