ブラックコーヒー
「っ、嫌…。」



涙が頬を伝う。

斗真。
斗真。

斗真…!



「斗真…!」



そう叫んだ瞬間、一樹さんに唇で口を塞がれた。



「っ…!」



だんだんと深くなるキスに嫌悪感を抱く。

斗真…助けて…!


ギュッと目を強く閉じた瞬間、バンッとすごい音がした。


それに反応した一樹さんは私から体を離し、音の発信源に目を向けた。



「…思ったよりも早かったね。遅かったとも言うけど。」



飛び込んで来た人影は肩で息をして一樹さんを睨んだ。
< 243 / 382 >

この作品をシェア

pagetop