ブラックコーヒー
最後に斗真は触れるだけのキスをして私から離れた。



「お風呂入っておいで、服出しといてあげる。」

「え、でも一樹さん家で…。」

「いいから。…一樹臭いよ?」



なんだか可哀想な言われよう…。



「このままじゃ理性飛びそうだし。」



斗真…。
…気を遣ってる…?



「別にいいのに…。」

「ん、俺がよくない。」

「あ…。」



ふと、渡部と呼ばれた女の子の顔が頭をよぎった。

あの子が本命だから…私は抱けないってこと…なのかな。



「…ちゃんと話したいことあるから。」



きっと、そうなんだ。
振られるんだ、私…。
< 251 / 382 >

この作品をシェア

pagetop