ブラックコーヒー
お風呂に入ってもそんなことしか考えられなくて、私はとにかく暗かった。



「…こっち来て? 美由里。」



ソファの上、斗真の隣、斗真と向かい合って座った。



「まず…。」



斗真が口を開く度にドキドキする。



「…なんで一樹の家にいたの?」

「今日、ね、斗真迎えに行ったの。」

「え…。」

「でも……」



今私が言えば、話題は自然とあの女の人のことになる。

……言いたくない。



「でもね、雨降ってきちゃって。そしたら一樹さんが…。」

「なるほどね。」



斗真は納得したように鼻を鳴らした。
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