ブラックコーヒー

■あと2つ

「…え、初めて会ったとき?」



隣で横になる美由里の頬を撫でながら頷く。

両想いになって、改めて話をしていた。



「そう、だから結構前から気にはなってた。」

「それだと…、私が定期拾ってもらったとき辺り?」

「もっと前。美由里が高1の春かな。」

「え…。」



美由里が驚いたように固まる。



「ん?」

「それって…、私がガン見してた…あのとき?」



そうおずおずと訊ねるもんだから、なんだかおかしくて笑ってしまった。



「そうそう、あのとき。」



美由里は気まずそうに目をそらした。

……だろうな。
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