ブラックコーヒー
「…なんか、わけありっぽそうだな。」

「…。」



わけあり、か。



「…人のこと言えないな、俺も。」



そう呟くと、一樹は表情を引き締めて言った。



「援交なんて本気か?」

「…。」

「あの子…美由里ちゃんのためにもよくねぇし、さっさと切れよ。」

「…あぁ。」



俺は…切れるだろうか。



「っつーかお前だろ、ここのカフェ待ち合わせ場所にしたの。」

「ん? あぁ、そうだけど…。」

「やぁっぱりなぁ。」

「なんだよ。」



なんか悪いことした気分になるじゃねーか。
< 26 / 382 >

この作品をシェア

pagetop