ブラックコーヒー
それが、斗真だった。


通路に立つ彼に目を奪われて、彼から目が離せなかった。

その時間が永遠に続くんじゃないか…、そう思うほどに私は彼を見つめていた。


あ…、スマホ、両手でいじってる…。
男の人はやっぱり片手がいいなぁ。

なんて思いながら見つめていた。



あ…。



目が合った。


だけど、私は目をそらさなかった。

彼はそのままケータイに目を戻したけれど、すぐに驚いたように振り返った。


そのときやっと我に返った私は慌てて目をそらした。



その後彼に視線を戻すと、彼は不思議そうに首を傾げながらケータイをいじっていた。
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