ブラックコーヒー
「だからどうしたらいいか分かんなかったってのもある。」

「うん。」



すごく…分かる。

どうしていいか分からなくて空回りばかりして、進展もなくて。


なのに好きって気持ちは積もってく一方で。



「だからって傷付けて良い訳ないよね。」

「…確かに傷付いた…っていうか、怖かった。」

「……うん。」

「でも、今も、あのときも…私は幸せだから。」



私は握っていた斗真の手を離すと、両手で一樹さんの両手を握った。



「…意味は違うけど、私も一樹さんが好きだから。」

「美由里ちゃん…。」
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