ブラックコーヒー
一樹さんはギューッと私を抱き締めて、耳元で囁いた。



「斗真に飽きたら俺んとこおいで、いつでも歓迎するから。」



なんて言うもんだから、一樹さんの顔を見たら、一樹さんは屈託なく笑っていた。



「…前から思ってたんだけど、一樹さんって二重人格だよね。」

「えー? そうかなぁ。」

「しかもSだよね、ってか鬼畜。」



そんな会話をする私たちを引っぺがして、私を抱き締めた斗真。



「美由里はダメ、俺のだから。」

「うん♪」

「次に手ぇ出したらどうなるか分かんないから。」
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