ブラックコーヒー
「…分かった。」

「うん、いい子。」



そう言って、斗真は私の頭を撫でた。
でもそんなんじゃ足りない。

心の中の不安という靄は拭えない。



「んじゃ、邪魔者は退散してあげるー。」

「一樹さん…!?」

「…俺がしたかったのはね、警告だよ、美由里ちゃん。」



警告…。



「あの子、考えなしでやってるから質悪いでしょ。そんなのが本気出したら…。」



その先は言われなくても分かる。



「…斗真は渡さないから大丈夫!」



そう言うと、一樹さんは安心したように微笑んで出て行った。
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