ブラックコーヒー
それから1週間が経った頃。
私は一樹さんとカフェにいた。



「やつれた?」



会ってからの第一声がこれ。
いくらなんでも失礼だと思う。

だけどそれは事実で、私はそれを否定することができなかった。



「3㎏くらい落ちたかな…。」

「隈もできちゃって…。」



苦笑いする私の目元に指を滑らせると、心配そうに眉を下げた。



「ちゃんと寝てる? ご飯、食べてないんじゃないの?」

「うん…。」



えへへと笑う私の目の前に、一樹さんはキャラメルを1つ差し出した。



「はい、薬。」
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