ブラックコーヒー
鳴ったのは俺のケータイで、ディスプレイを見なくても分かってしまう相手に溜め息を吐いた。

またか…。



「…何?」

『すいませんっ、坂沼先輩…!』

「……今行くから。」



一言で事を把握した俺は続きを聞くことなく電話を切った。



「本当ミス多いよなぁ。」

「…なんで俺が教育担当なんだよ…。」

「っつか昼休みくらい休んでミスするなって話だろ。」



ド正直に、俺は渡部が嫌いだ。
自分の面倒もろくに見れないなんて信じられない。

長女の美由里は少し抜けているところこそあるけれど、まさに長女といった感じでしっかりしている。
< 301 / 382 >

この作品をシェア

pagetop