ブラックコーヒー
デスクに戻り渡部のミスをカバーしながらも考えるのは美由里のことばかり。



「ありがとうございます、いつもすいません…。」



とションボリした様子の渡部を見ても、ちっとも可哀想だと思えない。

むしろ憎しみすら沸いてくる始末。


……俺は鬼か。



「お詫びに今度こそお夕飯でも、いかがですか?」

「…言ってなかった?」



この前も言われたから言ったような気がするんだけど。



「俺、彼女いるからそういうのは遠慮するよ。」



というか迷惑だっていい加減気付いて欲しい。
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