ブラックコーヒー
そう言ったうっちーは苦しそうに、切なそうに顔を歪めた。



「…頼む、斗真さん。」

「お願い。」



2人に頭を下げられて、俺は立ち上がった。



「…行ってくるね。」



2人に微笑みかけると、俺は2人分のコーヒー代をテーブルに置いてカフェを出た。


早く美由里に会いたい。
話を聞いてやりたい。

美由里…。


校門に着くと、ちょうど美由里が出てきたところだった。



「美由里!」



なりふり構わずに名前を読んで、
美由里の元に駆け寄った。



「と…、ま…。」



震えながら微かに動いた唇から漏れたか細い声。
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