ブラックコーヒー
「…それより。」



ふと斗真は私の額に手を当てた。



「…やっぱりさ、熱ない?」

「熱…?」



首を傾げる私に斗真は体温計を渡した。
計ってみると37.5℃。

全く気が付かなかった自分に驚いた。



「やっぱり。手熱かったもん。」



と言って私の手を握って見せる斗真。

すごい…それだけで分かるんだ。



「ちゃんと寝てないんでしょ? 食べてないんでしょ? 免疫低下するに決まってるでしょ。」



そう言う斗真の表情は少し厳しくて。
私はそっと謝った。



「さっさと食べて寝ろ…って言いたいところだけど。」
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