ブラックコーヒー
斗真は私を抱き上げると、そのまま私を斗真の膝の上に横向きに座らせた。



「今日はちゃんと話聞かなきゃね。」

「斗真…。」

「横にしてあげたいとこだけど、横になると一瞬で寝るからダメね。」



そんな言葉に苦笑してから斗真の肩に寄り掛かった。

熱があると分かった瞬間にキツくなる体。
なんて現金なんだ。



「…杏ちゃんとうっちーに今日会ってね、美由里の家のこと、少しだけ聞いたんだ。」

「そっか…。」

「…ごめんね、勝手なことして。」



私は静かに首を振った。

もとはと言えば無視してた私がいけないんだから。
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