ブラックコーヒー
1度出張に出たら1ヶ月は戻らない。
それが当たり前だった。


祖父母と私たちの元々違っていた生活を無理矢理合わせようとすれば歪みが生まれる。

それは当然であって、避けられないこと。


私たちには精神的な疲れがたまっていった。


それに追い討ちをかけたのは祖父の右半身麻痺だった。

それによる苛立ちなのか、祖父は周りを気にすることなく怒鳴り散らしていた。


さらに、右半身が麻痺しているということは利き手の右手と顔面の右半分も麻痺しているということで。

ご飯を食べるとき、同じ食卓につくのが辛かった。
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