ブラックコーヒー
ギュッと斗真に抱きつくと、斗真は私を緩く抱き締めながら言った。



「体熱くなってきた…。熱上がってきたかな…。」

「分かんない…。」

「とりあえずお粥作ってあげるから待ってて。」



そう言って斗真が立ち上がった瞬間、斗真のケータイが鳴った。



「……もしもし。」



……渡部。



「は? なんだよそれ…! 今すぐ行くから!」



また…か。

泣いたせいもあってかひどく痛む頭を抱えてゆっくり立ち上がって鞄を掴んだ。



「美由里!?」



ジャケットを羽織った斗真が焦ったように私を止める。
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