ブラックコーヒー
「あたし。」



と微笑む杏。
やっぱりか…。


私の衣装はオフショルの白いワンピースで、裾はテールカットになった可愛らしいデザイン。

色が分かるか分からないか程度の薄いピンクのウエストマークがあって、それが後ろでリボンになっている。



「こんな可愛いのなんで私用にデザインしたの?」



頭と胸元にはお揃いのベージュのバラのコサージュまでついている。



「どうせならそのピアス取ってくれるとよかったんだけど。」



と、私の左耳軟骨についたピアスを指差して言った。



「明らか男物だし、ゴツいから雰囲気に合わない。」
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