ブラックコーヒー
「これは取らない!」



斗真とお揃いのピアス。
外すわけがない。



「分かってるわよ。…さっさと仲直りすればいいのに。」

「…喧嘩とは少し違うから。」



もうダメなのかもしれないと思うのは何度目だろう。

思い出せないのがまた悲しいところだ。



「なんにせよ、美由里がある程度元気になってよかった。斗真様様ね。」



あれから、私はちゃんと寝てちゃんと食べるようになった。

斗真に心配かけたくないから。



「ご心配おかけしました。」

「…やっぱり、早く仲直りしなさいよ。アンタが万全じゃないとあたしまで調子狂うんだから。」
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