ブラックコーヒー
「涙止まった。」

「あ…。」



本当だ。

斗真は私の両頬を両手で包み込むと、ぐっと顔を近付けた。



「斗真…。」



自然と頬が熱を持っていく。



「…こっちは解決した。でもね、ご家庭の事情は俺にはどうにもしてあげられない。」

「……うん。」



私の家のことを言っているんだとすぐに分かった。



「どうにもしてあげられないけどね、美由里の支えになることくらいはできるよ。」

「斗真…。」

「これからだってずっと、支えていく。温もりと安心と…おまけに愛を添えて、ね。」
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