ブラックコーヒー
「実は…将来の夢、まだ決まってなくて…。」

「なんにも? 漠然とした感じでもいいから。」

「んー…。」



漠然と…。

私の顔を除き込む斗真の視線に耐えられなくなって視線を落とした。



「あ!」

「ん?」



そう優しく聞き返してくれる斗真かやっぱり好きだと変なところて実感した。



「人の役に立つ仕事がしたい!」



そう答えた私に、斗真は眉を下げて笑った。



「そりゃなんだって人の役に立つ仕事だよ。」

「あ、そっか…。」



誰かにとって不利益にしかならない仕事なんてあるはずがない。

漠然としすぎたのかもしれない。



「で、どう役に立ちたいの?」
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