ブラックコーヒー
我ながら完全に墓穴を掘った。

……まあいいや、と思い冷や汗を流しながら続けた。



「私ね、カウンセラーになりたい!」

「カウンセラー?」

「うんっ。」



部長さんと新人さんの話を聞いて思ったんだ、具体的に。



「私には辛いとき、斗真がいる。斗真が支えてくれる。でも、そうやって支えてくれる人がいなくて、1人で苦しんでる人っていると思うの。」



むしろ、斗真みたいに支えてくれる人がいる私はラッキーなんだと、恵まれてるんだと思う。



「だからね、そういう人の支えになりたいの!」



少し興奮しながらそう言い終えると、斗真は柔らかく微笑みながら私の頭を撫でた。



「…いい夢だね。」
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