ブラックコーヒー
その言葉を聞いて、私の顔が赤くなったのは言うまでもない。


斗真さんが浴びるシャワーの水音を聞きながらぼんやりと考えた。


斗真さん…いろいろ考えてくれてたんだなぁ。

あの『最初だから』って、私の初めてがラブホじゃ嫌だろうからって意味だったんだ…。


じゃあ、このシャワーの時間も心の準備のための時間…?


ベッドにペタンと座り込んだ私は、枕を抱き抱えた。

…優しい人。
斗真さんが…優しい人でよかった。



「…心の準備はできた?」



シャワーを浴び終えた斗真さんはそう私に聞いた。
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