ブラックコーヒー
言いたいことは分かる。だけど、唯一落ち着けそうだった相手は斗真に取られたから。

って、ただの負け惜しみか。



「一樹さーん!」



そう甘ったるい声を出しながら駆け寄ってきた女の子。

可愛い顔に、ふわふわの髪。
確か後輩なんだけど…。



「今晩暇ですかーあ!?」

「うん。」

「じゃあ、終わったら駐車場にいますねっ!」

「了解ー。」



こんなの日常茶飯事だから、斗真はもはや呆れたとでも言いたげな顔をしていた。

だって、求められて断る理由とかないじゃん。
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