ブラックコーヒー
ホテルを出て斗真さんの車に乗ると、私はシートベルトに頭を乗せた。



「家まで送るよ。」

「…お願いします。」



バスの本数が極端に少ない私たちの路線。

次のバスが何時なのか分からなかったから、斗真さんに甘えることにした。



「ま、拒否られても送ったけどね。」

「別にそんな…。」



申し訳なすぎる…。



「何のために今日車で来たと思ってんの。」



と笑った。

あ、そっか。斗真さん、普段はバスだった。



「はー…家帰りたくねぇなー…。」

「なんでですか?」
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