ブラックコーヒー
誰なんだろう。

ねぇ…斗真さん。
あなたは…誰を見ているの?


…って、私はなんでこんなこと考えてるんだろう…。

好きでも…なんでもないのに。


ただ、繋がるだけの関係。
お金をもらうだけの関係。

それ以上ではない。

憧れの人ではあった。
でも、それとこれとは別の話。


だから…そんなの気にしちゃいけない。



「あはは、大丈夫ですよ。私は離れていきませんから。」



頬杖をついてそう微笑みかける。


だって私たちの繋がりは、心じゃなくてお金だもん。

お金をもらっている限り、呼ばれれば私はどこへだって行く。
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