ブラックコーヒー
授業が始まっても、考えるのはイケメンスーツのことばかり。


本名、なんていうのかな…。

名前を知りもしない私は勝手にあだ名をつけ、彼を“イケメンスーツ”と呼んでいた。


見た目24歳くらいの、細身のスーツが似合うイケメン。


名前も年も、何も知らない。


唯一知ってるのは、途中のバス停…市民病院前(シミンビョウインマエ)から乗ってくること。

あと、私が降りる三輪高校前よりも先まで乗っていくこと。


それだけ。



本当に、何も知らない。



今日だって、イケメンスーツ見たの2ヶ月ぶりくらいだったしなぁ。
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