ブラックコーヒー
「美由里ちゃんってふわふわしてそうだけど芯通ってるし、結構鋭いんだね?」

「はぁ…。」



な、なんじゃそら。

エンジンを切った一樹さんはハンドルにもたれ掛かり言った。



「ねぇ、俺ともしない?」

「へ…。」



そうしている間にも、一樹さんの左手は私に向かって伸びてきていた。



「援交。」



そっと私の頬を撫でた。

ぞわりと鳥肌が立った。
悪寒がした。


私の中の誰かが言った。囁いた。

『感情を殺せ』
得意だよ、そういうのは。



「私は安くないですよ? 初回料5万、その後は3万。」
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