ブラックコーヒー
次の瞬間、俺は斗真に胸倉を捕まれて壁に押し付けられていた。



「ってぇ…。おい、斗真っ…。」

「何した…?」

「は?」

「美由里ちゃんに何したんだって聞いてんだよ!」



俺は驚きすぎて、状況を忘れて口をポカンと開けてしまった。

斗真の睨みはきついもので、普段温厚な斗真からは想像できないものだった。



「……少し試しただけだよ。」

「試した…?」



俺はそっと斗真の手を握って下ろした。



「俺とも援交しないかって。」

「あ、ぁ…。」

「そしたら斗真じゃなきゃって……あ。」
< 94 / 382 >

この作品をシェア

pagetop