ブラックコーヒー
やべ、喋りすぎた。
酒入るとダメだな…。



「な、んだよ、それ…。」

「…なぁ、斗真。」



俺はズボンのポケットに手を突っ込み言った。

半分…いや、半分以上、やけくそで。



「いつまでも早織の影見てないで進めよ。」



たぶん…斗真も、美由里ちゃんのこと…。



「…うるせ。」



斗真はソファにうつ伏せに倒れ込むと、そのまま目を閉じた。


あーあ、美由里ちゃん、いいなって思ったのに。

初めて見たときは、興味もわかなかった。ただ、苦労してんだろうなくらいで。
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