ブラックコーヒー
きっと…初めて見たときから…。



「到着ー。」



そう言った斗真さんは車を降りた。
目の前には小洒落たレストラン。



「大丈夫、固っ苦しい感じではないから。」

「あ、はいっ…。」



斗真さんはどうやらこのレストランの常連らしかった。



「…ねぇ、美由里ちゃん。」



料理をすべて食べ終え、一息ついていたときのこと。

斗真さんが神妙な面持ちで言った。



「一樹から…聞いた? 俺の元カノの話…。」

「…いえ。斗真さんから直接聞こうと思って…。」

「そっか…。」
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