12センチの君
彼女の遺言は最後まで私の事を一番に考えてくれていた。彼女の為にも生きなければ、幸せになって生きなければいけないと頭では理解していたのにこのざまだ。…心は、私の心は彼女の事を忘れるなんて事は出来なかったのだ。
決して消えない彼女の想い出を追って、ぼろぼろになりながら独りで生きてきたこの私の最期を…彼女は一体、どういう心情で見守るだろう。死に際に死者が迎えに来てくれるというシーンをドラマや小説でよく見かけるけれど、私の場合、彼女は迎えに来てくれるんだろうか。
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