やわらかな夜
「ああ、反対しているとかじゃないのよ?

あかりが好きになって選んだ人は、お兄ちゃんとして嬉しいからね」

「同じだったからだと思います」

そう言った俺に、
「…同じ?」

理人さんは訳がわかないと言うように首を傾げた。

「あかりが俺のことを“優しくて一途”と言うなら、俺もあかりのことを“優しくて一途”だと思ってます」

「…似た者同士、だったってこと?」

「そう、かどうかはわかりませんが」

そう言った俺に理人さんはフフッと笑うと、
「似ていると言えば似ているかもね、あかりとシュージくんって」
と、言った。
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