やわらかな夜
「だから俺、あかりに似ているからシュージくんのことを気に入っちゃったのかも知れない」

「…似てるんですか?」

そう聞いた俺に、
「同じって言ったのはシュージくんよ」

理人さんがそう言ったので、俺は返すのをやめた。

「あかりのこと、幸せにな?」

そう言った理人さんに、
「ええ」

俺は首を縦に振ってうなずいた。

「まあ、一途なシュージくんは浮気に興味なんか示さないだろうけど」

さりげなくプレッシャーである。

「当たり前ですよ」

俺はそのプレッシャーをはねのけるように返した。

浮気しない――そう確信できるのは、俺があかりを心の底から愛している証拠なのかも知れない。
< 104 / 111 >

この作品をシェア

pagetop