やわらかな夜
ナビの案内に従い、車をそこへ向かわせた。

「カゲが刺されて、病院へ運ばれたの!」

「殺人事件じゃん!

あかり、遭遇したの!?」

「招待されてたんだから当たり前でしょ!」

車が病院に到着するまでの間、久世兄妹はこんな調子であった。


病院につくと、あかりはそこに駆け込んだ。

「俺、店あるから先帰るわ」

「お気をつけて」

理人さんは車を降りた。

車内には俺1人だけが残った。

退屈しのぎでつけたラジオは、つまらなかった。
< 107 / 111 >

この作品をシェア

pagetop