やわらかな夜
エピローグ
あかりと出会って1年が経った。

「シュージ、早く!」

「あー、はいはい」

俺はネクタイを整えると玄関に出た。

玄関にはすでに準備万全なあかりがいた。

今日はあかりの元カレの結婚式だ。

「やれやれ、今月は出費が痛いわ」

あかりは息を吐いた。

「再来週はお兄さんの結婚式だもんな」

靴を履きながら俺は答えた。

「来月は」

あかりは得意気に笑って、左手の薬指につけてあるシルバーリングを見せた。

「そうだな」

俺も笑うと、おそろいのシルバーリングがついた左手であかりと手を繋いだ。


☆★END☆★
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