やわらかな夜
「――はっ…?」

聞き返した俺に、
「お金が必要なの?」

そう言ったあかりに、俺は訳がわからなかった。

「いくら?

100万?」

そう言ったあかりに、
「ひゃ、100万…!?」

俺は絶句した。

こいつ、今何でもないって感じで言ったよな?

って言うか、100万って…。

まさかこいつ、どっかのえらいところのお嬢様じゃないよな?

このバーの経営者があかりだとすると、相当なものかも知れない。

何も答えない俺に、あかりはやれやれと言うように息を吐いた。
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